Masa です。
先週 Studio Dedé のお話をしましたが、そのついでにアナログテープについて少々。
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アナログテープはよく「オープンリール」とも呼ばれることも多いですが、これはテープが剥き出し(Open)に巻かれている(リールされている)状態ということを意味しています。つまり、容易に手に触れられてしまうので、取り扱い要注意。もちろん普段は専用の樹脂ケースに収まっているので大丈夫ですが。
このテープなんですが、いろんなサイズがあります。
一番馴染み深いのは30代後半以降の方は当時エアチェックしたり、レコードから録音したりした経験があると思いますが、所謂「カセットテープ」。46分から最長120分収録できました。TDKとかマクセルとかのブランドがありましたね。実家に残してある分も含めて膨大なコレクション(ほとんどクラシック)がありますが、意外に劣化しないでちゃんと(というかむしろ良い音で)聴けるもんです。これは文字通りカセットに収納されているので「オープンリール」ではありませんね。
TDK D90 よくまとめ買いしていました。 |
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録音の現場では2インチ幅のテープを使うのが多いのではと思われます。 Studio Dedé で使用したのは Quantegy 社の 499 という2インチ幅のタイプのテープでした。
Quantegy 499 ケース側面 |
2インチテープをテープレコーダーで録音・再生します。レコーダーはSTUDER製。 |
2インチ幅を24の均等な幅に分けて、それぞれ独立したチャンネルとして割り当てられます。つまり24トラック(楽器、声など)分を同時に録音できるということです。
Dedé オーナーの吉川さんのお話では、1972年以前はこの2インチ幅のテープを16チャンネル(つまり16トラック)までしか分割できなかったのが、この1972年に24チャンネルに分割できるようになったとのこと。
※その後、さらにマルチ化して32チャンネルとかの試みもあったそうですが、1チャンネルの幅が細くなりすぎて、録音の情報量が少なくなってしまい、逆に音が悪くなったのだとか。
気になる録音できる長さなのですが、約28分。一曲5分の曲だと、4〜5テイクくらいが録音出来る長さということになります。クラシックの曲でマーラーとかブルックナーとかの長尺の曲なんかはどうやって録音してたのか気になるところです。別のタイプのテープを使用していたのかも。
たぶん大丈夫だと思います。
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Q.A.S.B. だけでなく、最近の Dedé さんでの録音はマスタリングをした結果をデジタルデータにして、アナログレコードプレス工場に納品するという流れになりますが、初めてのQ.A.S.B.のレコーディングの時にはなんとマスタリングされたものをハーフインチ(1/2インチ)のオープンリールテープに残していました。先ほどそっと開けてみましたが、状態は恐らく大丈夫(汗)。
幅は1/2 ハーフインチ |
このテープに収録されているマスタリング済み曲のメモ |
これをそのままプレス工場に持ち込めばフルアナログ録音ということになります。
最近では KYOTO JAZZ SEXTET がこの方式でフルアナログの状態でカッティング/プレスをやって話題になりましたね。
確かにこのやり方は最上の録音方法でしょう。いつかやってみたいものです。
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今回も固い話となってしまいました。こうなったらこのままこんな感じで続けようかなと思っているところです。
次回は7月22日リリースの "Q.A.S.B. III" (CD) の特典の "Q.A.S.B. III NOVELTY MIX" selected and mixed by Bottle Crew について何か書こうかなと思ってます。
=Live Information=
"Q.A.S.B. III" Release Party at THE ROOM
Place : THE ROOM SHIBUYA
Date : 2015.07.10 (Fri)
Open : 19:00
Close : 22:00
DJ : RYUHEI THE MAN (universounds)
Live : Q.A.S.B.
Entrance : ¥ 2,500 (1d)
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